理学療法科学
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特集
骨関節系理学療法のリスク
齋藤 昭彦
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2005 年 20 巻 1 号 p. 85-90

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抄録

老人保健施設や地域で活躍する理学療法士が増えるなかで,理学療法士には直接的に対処できない医学的問題を抱える患者に遭遇する機会が増加している。諸外国ではすでに理学療法士による独立診療が行われている。このような状況の中で,リスクを把握し,回避するために骨関節系疾患と同一症状を呈するほかの医学的疾患とを鑑別する能力が求められている。患者の病歴,主観的訴え,客観的所見が筋骨格系以外の問題の存在を示唆し,医学的フォローアップが必要であることを同定する能力を理学療法鑑別診断という。理学療法士は患者の訴えを包括的にとらえ,理学療法の禁忌となる症状や理学療法士の知識の範囲を超える病態を示唆する症状がみられる場合には医師に報告しなければならない。本稿では整形外科領域でのリスクを回避するための理学療法鑑別診断について記載する。

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© 2005 by the Society of Physical Therapy Science
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