理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
敏捷性と歩行能力の関係
─若年者と中高年者を比較して─
斉藤 琴子丸山 仁司
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キーワード: 敏捷性, 歩行, 加齢
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2006 年 21 巻 1 号 p. 7-11

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抄録
本研究の目的は敏捷性と歩行能力の関係および年齢が及ぼす影響を明らかにすることである。健常若年者8名と健常中高年者8名を対象として,最大タッピングおよび最大ステッピング,10 m最大歩行(歩幅,歩隔,歩行速度,歩行率)を測定した。結果は若年者では歩行因子である歩幅,歩隔,歩行速度,歩行率と敏捷性の指標である最大タッピング,最大ステッピングとは有意な相関が見られなかったが,中高年者では最大ステッピングと最大歩行速度(r=- 0.71,p<0.05),最大ステッピングと最大タッピングに有意な相関が見られた(r=0.75,p<0.05)。歩行能力および敏捷性の変化については,最大タッピング,最大ステッピング,歩幅,歩行速度,歩行率で中高年者に有意な低下がみられた。以上の結果から,若年者では敏捷性と歩行能力には関係がみられないが,中高年者では下肢の敏捷性から歩行能力を推測することが可能なことが示唆された。
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© 2006 by the Society of Physical Therapy Science
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