理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
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行為の調整と学習
豊田 平介
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2006 年 21 巻 1 号 p. 81-85

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抄録
本稿では運動障害における行為の調整と学習に関して,片麻痺者の身体情報の知覚と実際の行為について検討した。制御の観点から知覚には自己の知覚と環境の知覚の二つの機能が存在する。片麻痺者でこの二つの機能を測定するため間隙の通過といった限定的な行為場面を設定し,移動レベルの変化に伴いπ数を測定していった。π数より身体情報の知覚と実際の行為において乖離する時期があることが重要である。個々の片麻痺者において経過は様々であり,一定の経過を辿るのではないことも確認された。環境に適応していくための行為の調整と学習には多様性があるということを指摘した。そして最後に運動療法への展開を述べた。
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© 2006 by the Society of Physical Therapy Science
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