2006 年 21 巻 4 号 p. 325-330
スピードスケート選手を対象に,スケート動作を模倣した不安定環境下での片脚立位保持能力と競技成績の関連性について解析することによって,陸上トレーニングの方法について検討した。対象は,スピードスケート選手群31名と対照群10名とし,スピードスケート動作に近い不安定な環境下での姿勢制御能力の測定とトレーニングを目的として開発した模擬スケート靴を履いたときの片脚立位保持能力と競技成績との関連性について解析した。結果,片脚立位保持時間は,強化選手群が非強化選手群および対照群よりも有意に長かった。模擬スケート靴を用いた不安定環境下でのスケート動作の模倣トレーニングは,氷上トレーニングを行いにくい夏季の陸上トレーニングとして有用であることが示唆された。