抄録
筆者が勤務する医療機関の理学療法部門で,臨床での状態変化を記載する「状態変化カード(カード)」を作成し,カード119件の内容を分析した。状態変化の原因は,循環器系の変動,運動器系の変化,精神・心理面の変化など,多様な理由であることがわかった。さらに,カードを病院内のLocal Area Networkにより公開をし,効果的な運用を試みた。これにより,病院全体で理学療法を施行している患者の状態把握ができるようになった。また,病院内で定められているインシデント・アクシデント報告書の内容がポジティブに変化した。カードは,理学療法部門からのリスクマネジメントに関する情報発信となり,アクシデントを回避できることを示唆している。