抄録
本研究では,若年健常男性12名(平均年齢21.0±2.3歳)を対象に,負荷強度の異なる持続的な把握動作が血圧応答に及ぼす影響について検討した。設定強度は,最大握力の10%,30%,50%とした。方法は5分間の安静後,各設定強度にて2分間の持続的な把握動作を行わせ,安静時及び把握動作終了時の血圧を測定した。統計は安静時と終了時の比較に対応のあるt検定を用い,また,負荷強度を要因とする一元配置分散分析と多重比較検定を用いた。その結果,収縮期血圧,拡張期血圧ともに終了時の測定値において,10%負荷強度と50%負荷強度及び30%負荷強度と50%負荷強度との間に有意差があり,50%負荷強度が有意に増加していた(共にp<0.05)。以上のことにより,30%負荷強度と50%負荷強度間に,血圧を上昇させる要因が存在する可能性があると考えられる。