抄録
本研究は高齢者における運動機能・認知能力を評価し,転倒との関係を検討することである。対象は101名で,転倒群と非転倒群の2群に分けて検討した。測定項目は足踏み時プローブ反応時間,Trail Marking Test Part-A,Timed Up and Go Test,10 m自由歩行速度,1足踏み周期所要時間であった。結果,転倒群において,Timed Up and Go Test,10 m自由歩行速度,足踏み時プローブ反応時間,Trail Marking Test Part-Aは有意に延長し,1足踏み周期所要時間の変動係数は有意に増大した。転倒を従属変数としたロジスティック回帰分析とROC曲線の評価から足踏み時プローブ反応時間のcut-off値は497 msecであった。以上により,高齢者において,足踏み時プローブ反応時間を用いた測定は転倒リスクの評価に有効であることが示唆された。