抄録
本研究は転倒骨折予防教室の参加者385名を対象に介入プログラムの効果と転倒予防の適応となる要因について検討した。週2回6ヶ月間の介入の結果,簡易版Geriatric Depression Scaleは有意に低下し,椅子起立時間,6 m歩行で有意に向上した。転倒数の減少に関わる要因として,年齢70歳以上,腰痛有り,服薬数3つ以上,転倒経験者,転倒リスク数3個以上,Fall Efficacy Scaleの得点29点以下で有意差が認められた。低頻度の運動プログラムでも地域高齢者の身体機能の維持・向上への効果に寄与できることが示唆され,参加者の転倒要因を考慮することが重要である。