抄録
本研究の目的は,足アーチ高率と内外側方向における足圧中心位置の関係を検討することであった。20名の健常女性の足アーチ高率を測定し,足アーチ高率が11%以下の低い群(4名),11~15%の中等度群(8名),15%以上の高い群(8名)の3群に分け,それぞれの内外側方向における足圧中心位置を比較した。足アーチ高率は低い群で10.7±0.2%,中等度群で11.8±0.5%,高い群で16.7±1.2%であり,足アーチ高率は,低い群および中等度に比較して高い群が有意に高かった。内外側方向における足圧中心位置は,低い群および中等度群が高い群と比較して有意に内側へ偏移していた。これらの結果は,扁平足の評価において内外側方向における足圧中心位置が一指標となりえることが示唆され,足底板を作製する際,この足アーチ高率は,足底板の高さを決める指標に使用できると思われた。