2008 年 23 巻 1 号 p. 169-173
本研究は,関節可動域制限発生の予防に必要な持続的伸張運動時間を関節角度と筋の形態学的な変化から検討した。実験動物には9週齢のWistar系雌ラット35匹を正常群7匹と足関節を最大底屈位で1週間ギプス固定した固定群7匹,1日1回ギプスを除去し持続的伸張運動を実施した伸張群21匹に振り分けた。さらに伸張群は10分,30分,60分の伸張時間の違いによって7匹ずつ振り分けた。結果は,関節角度の変化から見ると,30分の持続的伸張運動が最も効果的に関節可動域制限の発生を抑制することができた。また筋の形態学的な変化から見ると,30分を超える持続的伸張運動では筋線維を脆弱化させる可能性が示唆された。