抄録
本研究目的は,一側上肢へのPNFアプローチで反対側下肢への影響を明らかにすることである。一側上肢へPNF屈曲-外転-外旋パターン(PNF群)と肩関節屈曲運動(屈曲群)の開始肢位,中間肢位,終了肢位で等尺性抵抗運動を施し,その運動中に両下肢伸展方向にかかる力を等尺性筋力測定装置で測定した。同時に,一側上肢の抵抗値も測定した。結果,PNF群一側上肢終了肢位での等尺性抵抗運動中に反対側下肢伸展方向にかかる力が増大し,最大筋力値の54.3%を示した。一側上肢の抵抗値は,両群とも終了肢位が低い傾向であった。一側上肢のPNF同パターン終了肢位での等尺性抵抗運動は,上肢抵抗値は低値だが,反対側下肢伸展方向にかかる力は増大することがわかった。