抄録
この研究の目的は, 地域高齢者の2年間の追跡調査にもとづき自立に影響するライフスタイル,生活機能,社会的属性との関連を明らかにすることである。調査の対象は,奄美大島笠利町に住む高齢者223名(平均年齢76.4歳)で,初回調査時(2005年)に性,年齢,家族構成,転倒状況を聴取し,ライフスタイル22項目,生活機能13項目に関して質問紙を用いた面接調査を行った。これらの対象に対する追跡調査(2007年)でIADLの全項目が自立していた者は75.4%に見られた。各要因の自立への影響を検討するために,ロジスティック回帰分析を行った。その結果,社会的なライフスタイル,生活機能を維持することが高齢期における自立を維持するために有用であることが示唆された。