理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
肩関節周囲筋の表面筋電図周波数特性
甲斐 義浩村田 伸竹井 和人志波 直人
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2008 年 23 巻 2 号 p. 215-218

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抄録

本研究は,肩関節周囲筋(三角筋中部線維・棘下筋・上腕二頭筋・広背筋)の最大随意収縮強度(100%MVC)を基準とし,50・25%MVCに漸減させることにより,表面筋電図周波数帯が各々の筋でどのような特性を示すのかについて検討した。分析の結果,上腕二頭筋および広背筋は,%MVCの漸減に伴い有意に周波数の低下を認めた。このことから,上腕二頭筋と広背筋は,収縮強度の低下に伴い,線維径の太いtype II線維の活動が減少し,周波数が低下したものと考えられた。一方,三角筋および棘下筋は,%MVCの漸減に伴い,有意に周波数の上昇を認めた。このことから,三角筋と棘下筋の周波数は,比較的低い収縮強度でピークに達し,収縮強度と運動単位の活動様式における特異性があることが推察された。

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© 2008 by the Society of Physical Therapy Science
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