理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
Hoehn & Yahr重症度分類3度以上のパーキンソン病患者におけるpull testと転倒との関係について
岡田 洋平大久保 優高取 克彦梛野 浩司徳久 謙太郎生野 公貴庄本 康治
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 24 巻 1 号 p. 49-52

詳細
抄録

〔目的〕本研究の目的は,Hoehn & Yahr(H&Y)3度以上のパーキンソン病患者において,pull testと過去1年間の転倒の有無との関係について検討することとした。〔対象〕本研究の対象は,H&Y 3度以上のパーキンソン病患者24名であった。〔方法〕評価項目はpull testと転倒歴とした。pull testと転倒との関連性について分析し,また,ROC曲線から転倒者を識別する上で最適なカットオフ値を設定した。〔結果〕転倒群は非転倒群と比較して、pull testのスコアは有意に高かった。pull testのスコアの1をカットオフ値にした際,転倒の有無を最も良好に識別可能であった(感度:94.7%,特異:60.0%)。〔結語〕pull testは,そのスコアの1をカットオフ値にすることにより,H&Y 3度以上のパーキンソン病患者の中から転倒の危険性が特に高いものを識別する上で有用な指標の1つとなる可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top