抄録
〔目的〕模擬大腿義足歩行を課題として,チェイニング法(介入群)と一度に歩行周期全てを指導する練習法(対照群)の効果を歩行技能変化から検討した。〔対象方法〕健常男性20名に対し,設定した歩行路の歩行時間,膝折れおよび歩行路はみ出し総回数を練習前後および1週間ごとに測定した。また,練習は初回のみとし,それぞれの指導方法で行った。〔結果〕両群ともに練習直後の歩行時間,膝折れおよび非義足側のはみ出し総回数で改善が認められた。また群間比較では,練習直後から2ヶ月後まで,介入群でより高い歩行技能が維持されていた。〔結語〕今回の介入群に用いた練習は,対照群の練習に比べより高い歩行技能を維持できることが示唆された。