理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
足関節と下腿筋への振動刺激負荷が立位姿勢制御に与える影響
―閉眼による足部外乱時における重心と足圧中心の最大偏位比較―
崎田 正博熊谷 秋三高杉 紳一郎
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2009 年 24 巻 3 号 p. 347-352

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抄録
〔目的〕下腿筋筋紡錘と足関節の求心性信号のいずれが動的立位姿勢制御に寄与するかを検討することである。〔対象〕10名の男性を対象とした。〔方法〕被験者は閉眼で可動式プラットフォーム上の立位時に下腿筋(下腿振動刺激条件:CV)と足部内外果(足関節振動刺激条件:MV)で振動刺激(92 Hz)を加えたときの前後軸上の重心(COGy)および足圧中心(COPy)の最大偏位および最大偏位到達時間を抽出した。〔結果〕プラットフォーム後方外乱では,MVにおけるCOGy・COPyの最大偏位到達時間がコントロール条件よりも有意に遅延した(p<0.05)。プラットフォーム前方外乱では,MVにおけるCOPyの最大偏位到達時間およびCOGyの最大偏位がコントロール条件よりも有意に遅延(p<0.05)と増加(p<0.05)を示した。〔結論〕足部後方外乱時はヒラメ筋筋紡錘よりも足関節からの求心性信号がCOGyやCOPyの偏位に寄与し,足部前方外乱時では前脛骨筋以外の他筋の代償性活動によりCOGyやCOPyは制御されている可能性が考えられた。
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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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