理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
起立運動を利用した心肺機能評価の基礎的検討
上村 さと美秋山 純和
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2009 年 24 巻 3 号 p. 445-450

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抄録

〔目的〕起立運動を負荷法に利用して心肺機能評価を検討した。〔方法〕対象は,健常男性16名とした。評価は30(回/分)の頻度で5分間の起立動作を反復したときの生理的反応から判断した。起立運動に利用した椅子の高さは,各対象者の立位姿勢における床から腓骨頭までの距離とした。測定項目は,酸素摂取量,心拍数,血圧,身長,体重,座高,椅子高として,評価項目は仕事量,代謝当量(MET),%到達心拍数,心筋酸素消費量とした。〔結果〕仕事量の平均は592.5±130.3(kg ·m/min)であり,酸素摂取量の平均は24.8±2.1(ml/min/kg)であった。代謝当量,%到達心拍数から対象者の心肺機能をGood:31%(5名),Fair:63%(10名),Poor:6%(1名)と判定した。〔考察〕仕事量はPoorと判定された者において最も大きい傾向から,起立運動負荷法を利用して心肺機能評価を行う際は,仕事量についても考慮する必要がある。

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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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