理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
転倒時の衝撃期に加わる外力と中殿筋の筋活動の関連性
南角 学坪山 直生神先 秀人中村 孝志
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キーワード: 転倒過程, 衝撃力, 筋電図
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2009 年 24 巻 5 号 p. 679-682

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抄録

〔目的〕本研究の目的は,転倒時の衝撃期に加わる外力と転倒中の中殿筋の筋活動の関連性について検討することである。〔方法〕健常成人11名を対象とし,床反力計に敷いた厚さ13 cmのマット上に,静止立位から側方,45°斜め後方,後方への自発的な転倒を行わせた。転倒過程を3次元動作解析装置で計測するとともに,転倒時の衝撃期に加わる最大反力値と転倒中の中殿筋の筋活動を計測した。〔結果〕転倒時の衝撃期に加わる外力の大きさは2000~4000 Nであった。転倒中の中殿筋の平均筋活動量は最大収縮時の20~40%で,各転倒方向間で有意な差は認められなかった。しかし,各転倒方向における中殿筋の平均筋活動量と衝撃期に加わる外力との間には有意な正の相関関係が認められた。〔結語〕転倒中の中殿筋の筋活動の増加は,衝撃期に加わる外力を増す直接の要因の一つとなることが示唆された。

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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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