理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
センサーパッド形状が等尺性膝伸展筋力値に及ぼす影響
山崎 裕司祖川 稔史平賀 康嗣片山 訓博重島 晃史高地 正音
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2009 年 24 巻 5 号 p. 693-696

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抄録
〔目的〕本研究では,固定用ベルトを併用したHand-Held Dynamometerに用いられるセンサーパッドの形状が,等尺性膝伸展筋力値に与える影響について検討した。〔対象〕健常成人36名(男性18名,女性18名,年齢20.5±1.7歳)の右脚であった。〔方法〕センサーパッドは,従来から使用されていたパッド(旧パッド)と今回作成した新パッドの2種類である。新パッドは旧パッドと比較して,厚く,曲面半径が小さく設計されている。2種類のパッドを用いて同日に筋力測定を実施し,測定値,測定時疼痛,測定値の再現性について比較検討した。〔結果〕膝伸展筋力値は,新パッド,旧パッドの順に1日目51.4±14.7,47.3±14.6 kgf,2日目51.9±15.3,47.9±14.0 kgfであり,両日とも新パッドにおいて有意に高値を示した。パッド接触面での疼痛は,新パッドにおいて有意に低値を示した。1日目と2日目の測定値の級内相関係数は新パッド,旧パッドの順に 0.91,0.94であり,いずれも良好な検者内再現性を示した。〔結語〕センサーパッドの形状は等尺性膝伸展筋力値と測定時の疼痛に強く影響していた。膝伸展筋力測定に際しては,十分な厚さと適切な形状をもったパッドを利用すべきである。
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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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