抄録
〔目的〕本研究は,本邦の理学療法領域における重要度の高い研究課題を,一部の有識者の視点から明らかにすることを目的に予備的な調査を実施した。〔対象と方法〕対象は筑波大学大学院リハビリテーション修士課程を修了した理学療法士46名(男性39,女性7名)とし,調査方法としてデルファイ法を用いた。対象者には本邦の理学療法領域で早急に研究が進められるべきと思われるRQを3つ以内で回答してもらった。〔結果〕20名から53個の研究課題が集まり,最も高い評価を得たRQは「自然回復と治療介入効果の差は明らかか?」であった。〔結語〕ランキング上位を占めたRQは近年のEvidence- Based Medicineの促進を背景にしたものが選出されていた。