抄録
〔目的〕関節固定後の関節可動域制限において最大可動域運動で生じる抵抗力を測定し,その要因を明らかにすることである。〔対象〕10週齢のWistar系雌ラット18匹を使用した。〔方法〕両足関節をギプス固定し1,2,4週間固定した。各固定期間終了後にギプスを除去し,その後に皮膚切除を施行した。右側では最大背屈させるのに必要な抵抗力を測定し,左側では足関節底屈筋群切離後に同様の抵抗力を測定した。〔結果〕抵抗力は両側において固定1週間で急増し,固定期間の延長に伴い漸増した。要因としては,筋因子のみならず関節因子も関与していることが明らかとなった。〔結語〕4週までの固定期間においては,最大可動域までの関節運動には関節因子が大きく関与していることが明らかとなった。