理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
一日30分の持続伸張がラット足関節拘縮の発生予防に与える影響
小野 武也富田 瑛博沖 貞明梅井 凡子大田尾 浩吉永 龍史大塚 彰
著者情報
キーワード: 関節拘縮, 予防, 動物実験
ジャーナル フリー

2010 年 25 巻 6 号 p. 947-949

詳細
抄録
〔目的〕本研究の目的は,関節の動きを維持するために30分/日の持続伸張がラット足関節拘縮の発生予防に与える影響を検討することである。〔対象・方法〕対象は8週齢,Wister系雌ラット20匹である。実験期間は7日間である。ラットを無作為に各10匹の2つにわけた。10匹は,右足関節を最大底屈位でギプスを用いて7日間固定する固定肢とし左足関節は介入を加えない無介入肢とした。残り10匹は,右足関節を最大底屈位で固定し,実験2日目から6日目まで毎日ギプスを外し背屈方向へ伸張を加える伸張肢とした。効果判定の関節可動域テストは,無介入肢,固定肢,伸張肢ともに実験最終日の7日目に行った。なお,伸張肢の7日目の持続伸張は実施していない。〔結果〕実験開始前の背屈角度は3肢間に有意差を認めなかった。実験最終日には固定肢と伸張肢はともに無介入肢との間に有意差が見られ,また,固定肢と伸張肢との間には有意差が見られなかった。〔結語〕これまで関節拘縮の発生予防に有効であるといわれた30分/日の持続伸張時間では関節拘縮の発生が予防できないことが示された。
著者関連情報
© 2010 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top