理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
内側型変形性膝関節症者の歩き始めにおける立脚肢外部膝関節内反モーメントの特徴
山崎 貴博木藤 伸宏阿南 雅也新小田 幸一
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2010 年 25 巻 6 号 p. 951-956

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抄録

〔目的〕本研究の目的は,変形性膝関節症者の歩き始めにおける外部膝関節内反モーメントの特徴を主成分分析を用いて明らかにすることである。〔対象〕被験者は変形性膝関節症の女性10名19肢と膝関節痛のない中年女性10名10肢であった。〔方法〕課題動作は歩き始めの動作とし,3次元動作解析装置と床反力計を用いて,立脚肢の外部膝関節内反モーメントを算出した。歩き始めの外部膝関節内反モーメントの時系列変化から,主成分分析を用いて抽出された主成分得点に対して群間の比較を行った。〔結果〕主成分数は第3主成分までとなり,各主成分に対する群間の比較では,第1主成分得点のみ膝OA群と対照群の間で有意差が認められた。〔結語〕本研究において,膝OA群は歩き始め開始時より外部膝関節内反モーメントが継続的に大きいことが明らかとなった。したがって,膝OA患者の外部膝関節内反モーメントの大きさに影響を与える要因の一つとして立位時の下肢アライメントの状態を考慮する必要がある。

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© 2010 by the Society of Physical Therapy Science
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