2011 年 26 巻 5 号 p. 625-629
〔目的〕足底接地(以下FF)の速さと,後足部レベル横アーチパッド貼付が,歩行時の膝関節と骨盤の前方加速度に与える影響について明らかにすることである.〔対象〕健常成人28名,43脚(男性22脚,女性21脚)とした.〔方法〕FFが早く生じる群を早期群,遅く生じる群を遅延群とし,加速度計にて両群間の加速度の違いと,後足部レベル横アーチパッド貼付後の加速度変化について比較検討した.〔結果〕早期群では足底接地直前にて膝関節前方加速度増大し,FF直後では膝関節前方加速度が低下した.FF直前においては遅延群にて後足部レベル横アーチパッドを貼付すると膝関節と骨盤前方加速度が有意に低下し,FF直後では,パッド貼付により骨盤前方加速度が有意に低下するといったFFの速さとパッドの高さの交互作用がみられた.〔結語〕FFの速さと後足部レベル横アーチパッドは膝関節および骨盤前方加速度に影響を与えることが示唆された.