理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
軟部組織硬度計を用いた弾性値評価
髙梨 晃川田 教平塩田 琴美加藤 宗規小沼 亮野北 好春松田 雅弘宮島 恵樹黒澤 和生
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2011 年 26 巻 5 号 p. 667-671

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抄録

〔目的〕本研究は,筋収縮強度および関節角度,それぞれの変化量と軟部組織硬度(STS)の関係を分析し,弾性値評価手法を検討した.〔対象〕若年健常男性20名とした.〔方法〕筋収縮強度とSTSの関係は,軟部組織硬度計(STSM),等尺性筋力測定装置を用い,膝関節90°屈曲位で大腿四頭筋の安静時,最大筋収縮時,75,50,25%時のSTSを測定した.関節角度とSTSの関係は,STSMと角度計を用い,側臥位で膝関節伸展0°から最大屈曲時のSTSを測定した.STS測定は,10N荷重時の変位値を採用した.分析は,筋収縮強度間,関節角度間のSTSの差を,反復測定一元配置分散分析,多重比較法を用いた.〔結果〕筋収縮強度とSTSは,筋収縮強度間で有意に弾性値が低下し,関節角度とSTSでは,屈曲90°から有意に弾性値の低下を認めた.〔結語〕筋収縮時のSTS測定は,筋内圧の変化を示す指標となり,関節角度を変化させるSTSの測定では,伸張性を示す指標となると考えられる.

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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