理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
拮抗筋の柔軟性改善は主動筋による関節トルクに影響するか?
中島 遼平野 大輔赤坂 清和澤田 豊乙戸 崇寛
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 27 巻 1 号 p. 51-54

詳細
抄録

〔目的〕拮抗筋に対するストレッチが主動筋の関節トルクに与える影響について,筋硬度柔軟性,および3種類の速度による等速性運動時の膝関節伸展トルクにより検証した.〔対象〕立位体前屈で手掌が床につかない男子大学生20名.〔方法〕被験者をストレッチ実施群,非実施群に無作為に分け,介入は7日間のセルフストレッチとした.介入前後に筋硬度,下肢伸展挙上角度(以下SLR角度),指床間距離(以下FFD),角速度60,120,180°/secでの膝関節伸展トルクを測定した.〔結果〕実施群ではストレッチによる介入により,筋硬度には変化がなかったものの,SLR角度は有意に改善した.また,伸展-30°での膝関節伸展トルクは,180°/secで有意な増大を示した.〔結語〕拮抗筋の柔軟性の増加は,主動筋による速い運動での関節トルクを増加させる可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2012 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top