理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
症例研究
地域在住高齢者に対する介護予防のための運動教室の効果検証
─運動が身体組成・血圧脈波および呼吸機能に及ぼす影響─
糸谷 圭介前田 慶明川口 清隆村上 雅仁加藤 順一
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2012 年 27 巻 1 号 p. 97-100

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抄録
〔目的〕高齢者に対する低負荷の集団的運動介入において運動が身体組成,血圧脈波および呼吸機能に及ぼす影響を検討し,運動教室の効果の検証を行った.〔対象〕当センターが実施する介護予防のための運動教室に参加した地域在住の高齢者17名(男性2名,女性15名,平均年齢76±10歳)とした.〔方法〕介入は集団での柔軟体操,グランドゴルフなどのレクリエーションスポーツを組み合わせた低負荷の運動を1日90分間,週2回,3ヶ月間実施した.介入前後に,Body mass index(BMI),骨格筋量,脂肪量,体脂肪率,安静時の心拍数(HR),安静時収縮期(SBP)および拡張期血圧(DSP),心臓足関節血管指数(Cardio-Ankle Vascular Index: CAVI),足関節上腕血圧比(Ankle-Brachial Index: ABI)および呼吸機能検査として努力性肺活量,1秒量,1秒率の評価測定を実施した.〔結果〕運動介入前後で比較して,BMI,骨格筋量,脂肪量,体脂肪率,HR, SBP, DBPおよびABIは有意な変化を認めなかったが,CAVIは有意な低下を認めた.また,呼吸機能検査において1秒量は有意に増加した.〔結語〕今回の結果から高齢者において低負荷運動介入は,動脈伸展機能および呼吸機能の面からも有効であることが示唆された.
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© 2012 by the Society of Physical Therapy Science
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