2013 年 28 巻 3 号 p. 317-322
〔目的〕介護予防の2次予防事業参加者に対してジャイロセンサを用いた膝関節伸展時の最大発揮角速度(以下膝伸展角速度)を測定し身体機能との関係を検証した.〔対象〕虚弱高齢者170名(平均年齢78.6±5.6歳).〔方法〕膝伸展角速度のほか,等尺性膝伸展筋力,歩行時間,Timed up & go,ファンクショナルリーチ,開眼片足立ち時間,握力を評価し,膝伸展角速度とこれらの評価項目の関係を検討した.〔結果〕膝伸展角速度は握力以外と有意な相関を示し,膝伸展筋力と比べ身体機能とより強い関係性を示した.〔結語〕膝伸展角速度は身体の虚弱性が高いと考えられる介護予防の2次予防事業対象者において,身体機能との関係性が強いため有効な評価法であることが示唆された.