2013 年 28 巻 5 号 p. 623-626
〔目的〕回復期リハビリテーション病棟における超高齢脳卒中患者の自宅退院に必要なADL条件を検討すること.〔対象〕85歳以上の脳卒中患者で,転帰先が自宅もしくは施設または療養病床である71名とした.〔方法〕自宅群(41名)と施設群(30名)の2群に分類し,これらの間で患者の基本的特性,退院時FIM得点を比較した.また,有意差の認められたFIM各合計点では,ロジスティック回帰分析とROC曲線からカットオフ値を算出した.〔結果〕自宅群と施設群の間で,年齢,発症から回復期入院までの期間,移動手段に有意な差が認められ,カットオフ値はFIM運動項目合計点で39点となった.〔結語〕新たなADL条件として,退院時FIM運動項目合計点が39点以下の場合,超高齢脳卒中患者の自宅退院は困難となる可能性がある.