理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
超高齢脳卒中患者(85歳以上)の自宅退院に必要なADL条件の検討
杉浦 徹櫻井 宏明杉浦 令人岩田 研二木村 圭佑坂本 己津恵松本 隆史金田 嘉清
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2013 年 28 巻 5 号 p. 623-626

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抄録

〔目的〕回復期リハビリテーション病棟における超高齢脳卒中患者の自宅退院に必要なADL条件を検討すること.〔対象〕85歳以上の脳卒中患者で,転帰先が自宅もしくは施設または療養病床である71名とした.〔方法〕自宅群(41名)と施設群(30名)の2群に分類し,これらの間で患者の基本的特性,退院時FIM得点を比較した.また,有意差の認められたFIM各合計点では,ロジスティック回帰分析とROC曲線からカットオフ値を算出した.〔結果〕自宅群と施設群の間で,年齢,発症から回復期入院までの期間,移動手段に有意な差が認められ,カットオフ値はFIM運動項目合計点で39点となった.〔結語〕新たなADL条件として,退院時FIM運動項目合計点が39点以下の場合,超高齢脳卒中患者の自宅退院は困難となる可能性がある.

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© 2013 by the Society of Physical Therapy Science
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