理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
ストレッチングの前処置としての表在性および深部性温熱療法の有効性に関する検討
―ホットパックと極超短波療法に注目して―
川口 梨沙吉田 英樹照井 駿明
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 28 巻 5 号 p. 641-645

詳細
抄録

〔目的〕ストレッチングの前処置として,表在性温熱療法のホットパック(HP)と深部性温熱療法の極超短波療法(MW)の有効性を検討すること.〔対象〕健常例16名(女性5名,男性11名).〔方法〕大腿後面への20分間のHP,MW,コントロールを実施し,ハムストリングスの筋伸張性(筋硬度,膝伸展自動可動域)と大腿後面皮膚温を比較した.〔結果〕筋硬度については,3群間で明らかな違いが認められなかった.一方,膝伸展自動可動域と大腿後面皮膚温については,HPとMWの間では明らかな違いが認められなかったが,コントロールと比較してHPおよびMWで有意に高値を示した.〔結語〕HPとMWは,筋伸張性の向上よりも皮膚への温熱刺激を背景とした伸張痛の軽減によりストレッチングの前処置として貢献し得る.

著者関連情報
© 2013 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top