抄録
〔目的〕心的回転課題が立位姿勢に影響を及ぼすかを調べることを目的とした.〔対象〕被験者は健常成人12名とした.〔方法〕被験者を介入群と対照群にランダムに分け,介入群には心的回転課題を,対照群には単純な側性判断課題を実施し,3つの立位姿勢(開眼両脚立位姿勢,閉眼両脚立位姿勢および片脚立位姿勢)で効果を確認した.〔結果〕両脚立位課題では変化が見られなかったが,片脚立位姿勢において,介入群の姿勢の変化率は対照群と比べ有意に高値を示した.〔結語〕心的回転課題による介入は身体状況の顕在化を促し,片脚立位姿勢の姿勢動揺を減少させ得る可能性が示唆された.