理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
投球動作における体幹回旋運動と肩甲帯周囲の筋活動の関連性
宮﨑 茂明石田 康行河原 勝博渡辺 将成屋嘉部 愛子平安 堅吾濱野 友生常盤 直孝加藤 浩鳥取部 光司帖佐 悦男
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2013 年 28 巻 6 号 p. 703-708

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抄録

〔目的〕投球動作における体幹回旋運動と肩甲帯周囲の筋活動の関連性を検討することである.〔対象〕高校の野球部投手(疼痛既往肩8名,コントロール10名)とした.〔方法〕検討項目は投球動作時の胸郭および骨盤回旋角度とその変化量,表面筋電図周波数解析による肩甲帯周囲の筋活動(平均周波数とその差分)とした.〔結果〕疼痛既往肩の投手は,胸郭回旋角度の変化量ではコッキング期に有意に低値を,加速期に有意に高値を示した.骨盤回旋角度の変化量はコッキング期に有意に低値を示した.肩甲帯周囲の筋活動はコッキング期に僧帽筋下部線維,前鋸筋で有意に低値を示した.〔結語〕投球障害肩の発生要因として,体幹回旋運動減少と肩甲帯周囲の筋収縮リズムに生ずるインバランスにより,肩関節への負荷が増大した可能性がある.

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© 2013 by the Society of Physical Therapy Science
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