2013 年 28 巻 6 号 p. 787-790
〔目的〕車椅子クッションにより骨盤後傾を抑えた際の効果を静止座位と駆動開始動作から検討することを目的とした.〔対象〕車椅子駆動と端座位を獲得している片麻痺者18名とした.〔方法〕車椅子クッションは3条件とし,車椅子静止座位と駆動開始動作を3次元動作解析装置と筋電計を使用し,骨盤後傾角度と大腿二頭筋長頭の筋活動,駆動速度を計測した.〔結果〕アンカー機能をもち駆動側大腿部のパッドを外したクッションでは,静止座位と駆動開始で骨盤後傾を抑え,大腿二頭筋長頭の筋活動は小さくなり,速く駆動できた.〔結語〕車椅子静止座位で骨盤後傾を抑えると駆動開始動作に影響することが示唆された.