抄録
〔目的〕脳卒中片麻痺患者における視覚と支持面条件の違いが立位姿勢制御に及ぼす影響を検討し,感覚障害やバランス能力との関連性を検討することを目的とした.〔対象〕脳卒中片麻痺患者25名を対象とした.〔方法〕開眼と閉眼,硬い支持面と軟らかい支持面を組み合わせた立位保持の可否とその際の圧中心軌跡を計測した.また,触覚,振動覚,バランス能力と圧中心軌跡との関連性を検討した.〔結果〕閉眼条件や軟らかい支持面上では,硬い支持面や開眼条件に比べ総軌跡長が有意に増加した.総軌跡長は麻痺側触覚閾値と中程度の関連性が認められ,バランス能力とも有意な相関が認められた.〔結語〕脳卒中片麻痺患者は環境の変化に対応した適切な感覚情報を選択する能力が低下している可能性が示唆された.