抄録
〔目的〕本研究は人工膝関節全置換術施行前の身体機能が,術後早期の歩行および入院期間に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.〔対象〕一次性内側型変形性膝関節症と診断され,人工膝関節全置換術を施行された28例31膝とした.〔方法〕術前の身体機能と術後の歩行器歩行獲得期間,自立歩行獲得期間および入院期間との関連性を検討した.〔結果〕術前TUGと,術後の歩行器歩行獲得期間および自立歩行獲得期間に有意な相関が認められた.一方,いずれの術前因子も入院期間との有意な相関性は認められなかった.〔結語〕術前TUGはTKA術後早期の歩行獲得を予測する因子である可能性が示唆された.