理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
29 巻 , 2 号
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原著
  • 楠木 達也, 木山 良二, 小湊 裕一, 日吉 俊紀
    2014 年 29 巻 2 号 p. 161-164
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕片麻痺者の立ち上がり動作中の麻痺側足圧中心点(center of pressure, COP)の前方移動量と,麻痺側荷重率および足関節底屈筋群の痙縮の程度との関係を明らかにすることである.〔対象〕脳血管障害による片麻痺者14名とした.〔方法〕椅子からの立ち上がり時の足圧分布を計測し,離殿直後の麻痺側COP前方移動距離,麻痺側荷重率を算出した.また痙縮をmodefied Ashworth scale (MAS)にて評価した.〔結果〕麻痺側COP前方移動距離と,麻痺側荷重率(rs=-0.60)およびMAS(rs=0.65)との間に有意な相関が認められた.〔結語〕麻痺側のCOPは,足関節底屈筋群の痙縮により前方へ移動し,麻痺側下肢への荷重を阻害する.
  • 吉川 憲一, 水上 昌文, 佐野 歩, 古関 一則, 浅川 育世, 菅谷 公美子, 前沢 孝之, 田上 未来, 海藤 正陽, 坂上 由香, ...
    2014 年 29 巻 2 号 p. 165-171
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脊髄損傷者に対するHAL装着歩行練習の歩行能力改善効果を明らかにすること.〔対象〕慢性期の胸髄損傷不全対麻痺者1名とした.〔方法〕ABAデザインとし,A1とA2はHAL非装着,BはHAL装着で歩行練習を各期週3回,6週間実施した.各週最終日に10 m歩行テストを行い,A1期直前,A1・B・A2期直後に最大膝伸展トルク,足圧中心累積移動距離(バランス能力),最大歩行中の立脚時間割合及び膝角度(歩容)を測定した.〔結果〕歩行能力は A2期で,バランス能力と歩容はB期で大きく改善した.〔結語〕HAL装着歩行練習において,歩行能力改善には,改善した身体機能を歩行能力に転嫁するための練習が必要である可能性が示された.
  • 石倉 英樹, 小野 武也, 沖 貞明, 梅井 凡子, 田坂 厚志, 相原 一貴, 佐藤 勇太, 大塚 彰
    2014 年 29 巻 2 号 p. 173-175
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,筋性拘縮を起こした骨格筋に過伸張を加えた時,損傷を受けやすい部位を形態学的評価から明らかにすることである.〔対象〕8週齢のWistar系雄ラット6匹を用いた.〔方法〕ラットの左後肢を足関節最大底屈位に固定した固定肢,無処置の右後肢を対照肢とした.4週後,全てのラットヒラメ筋に筋が破断するまで引張試験を実施し,ヒラメ筋の破断位置について検討を行った.〔結果〕固定肢の伸張距離と発生張力は対照肢よりも有意に低下していた.固定肢と対照肢のヒラメ筋の腓骨頭から破断位置までの距離に有意差はなかった.〔結語〕筋性拘縮の起こった骨格筋は筋長の短縮が起こっており,破断位置が正常な骨格筋よりも筋中央付近になることを示唆した.
  • 竹内 弥彦, 大谷 拓哉, 太田 恵, 雄賀多 聡, 三和 真人
    2014 年 29 巻 2 号 p. 177-181
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕後方への外乱負荷応答時における母趾屈筋活動について,加齢による影響や身体重心動揺との関係を明らかにすることとした.〔対象〕地域在住の高齢者16名と若年者10名とした.〔方法〕外乱時の後方ステップ動作を4期に区分し,各期における母趾外転筋活動と身体重心動揺を計測した.母趾外転筋活動に対する年代とステップ期の影響について,二元配置分散分析により検討した.さらに,身体重心動揺との関係を分析した.〔結果〕年代とステップ期の間に交互作用を認めた.加えて,外乱応答時の骨盤重心の前後方向加速度と母趾外転筋活動量との間に有意な負の相関関係を認めた.〔結語〕後方への外乱応答時における母趾外転筋の相対的負担度は高齢者で大きくなることから,その活動量と骨盤部の安定性との間に関連性があることが示唆される.
  • 元島 崇, 今井 広美, 大平 雅美, 横川 吉晴
    2014 年 29 巻 2 号 p. 183-188
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕虚弱高齢者に対する多重課題歩行プログラムが,注意機能に及ぼす影響を検証する.〔対象〕通所リハビリ施設利用高齢者.〔方法〕三期全9カ月にわたり介入した.このうち第二期目3カ月間に多重課題歩行プログラムを行った.多重課題歩行プログラムは週1~2回,1回あたりの多重課題歩行運動を2分間実施した.ベースラインと各期終了後に注意機能,バランス,5 m歩行速度を計測した.〔結果〕参加者19名中15名がすべての測定を終了した.週1回の参加者12名に限定して解析すると,ベースラインと比べ第二期直後にTMT-Aが有意に減少した.〔結語〕低頻度,短時間の多重課題歩行運動は,虚弱高齢者の注意機能に影響し,介入時間の限られた通所施設で有用である可能性が示唆された.
  • 糸谷 圭介, 糸谷 素子, 岩本 美紀, 加藤 順一, 安藤 啓司
    2014 年 29 巻 2 号 p. 189-192
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は脳血管片麻痺患者(CVD)の歩行中の麻痺側下肢荷重量(WBR)が自立歩行にどのように影響しているかを検証することである.〔対象〕CVD患者19名を対象とし,院内歩行自立群と非自立群に分類した.〔方法〕両群ともにステップエイドを用いて平行棒内・外の歩行を実施した.評価項目は,Berg balance scale(BBS),立位および歩行時のWBR,10 m歩行時間,荷重量の変動係数(CV)とした.〔結果〕非自立群においてBBS,WBRの値は有意に低く,10 m歩行時間,CVは有意に高かった.〔結語〕歩行自立には歩行時のWBRやCVが関与していることが明らかとなった.
  • 中屋 雄太, 片山 訓博, 重島 晃史, 山崎 裕司, 熊谷 匡紘
    2014 年 29 巻 2 号 p. 193-195
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者の運動頻度が下肢筋力に好影響を与えているか否か,そして自己評価による運動対応能との関係はあるのかどうかを検討した.〔対象〕65歳以上の高齢者71名を対象とした.〔方法〕被験者を週の運動頻度別に0日群,1~2日群,3~5日群,6日以上群に分け,各群の年齢,等尺性膝伸展筋力,主観的連続歩行距離を比較した.〔結果〕各群の年齢,等尺性膝伸展筋力に有意差は認めず,運動頻度の高い群ほど主観的連続歩行距離が有意に長くなった.〔結語〕歩行を中心とする運動頻度は,下肢筋力に影響を与えないにもかかわらず,主観的連続歩行可能距離を長くする.したがって,高齢者の身体機能評価には,運動頻度や主観的なものではなく,測定機器を用いるなどの客観的な計測器が必要である.
  • 眞田 祐太朗, 椎木 孝幸, 森本 毅, 大澤 傑, 行岡 正雄
    2014 年 29 巻 2 号 p. 197-200
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は人工膝関節全置換術施行前の身体機能が,術後早期の歩行および入院期間に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.〔対象〕一次性内側型変形性膝関節症と診断され,人工膝関節全置換術を施行された28例31膝とした.〔方法〕術前の身体機能と術後の歩行器歩行獲得期間,自立歩行獲得期間および入院期間との関連性を検討した.〔結果〕術前TUGと,術後の歩行器歩行獲得期間および自立歩行獲得期間に有意な相関が認められた.一方,いずれの術前因子も入院期間との有意な相関性は認められなかった.〔結語〕術前TUGはTKA術後早期の歩行獲得を予測する因子である可能性が示唆された.
  • 高田 祐, 藤田 好彦, 久保田 智洋, 稲田 晴彦, 奥野 純子, 柳 久子
    2014 年 29 巻 2 号 p. 201-205
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕地域在住高齢者を対象に多重課題条件下での歩行能力と転倒リスクとの関係を明らかにすることとした.〔対象〕地域在住高齢者35名とした.〔方法〕過去1年間の転倒回数,転倒スコア,さらに10 mの自由歩行と多重課題条件下(バランス,聴覚,朗読または減算)での歩行を行い,時間・歩幅・歩数を測定し,自由歩行からの変化率を算出した.〔結果〕転倒スコアは聴覚課題下の歩幅,歩数と有意な相関を示した.転倒経験が複数回の者はない者に比して,聴覚課題下での歩幅の減少率が有意に大きかった.〔結語〕地域在住高齢者に対する転倒予測法として多重課題法は有用で課題としては,聴覚課題のようなやや複雑な課題が適している.
  • 三浦 拓也, 山中 正紀, 遠山 晴一, 斎藤 展士, 寒川 美奈, 小林 巧, 武田 直樹
    2014 年 29 巻 2 号 p. 207-212
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕超音波画像診断装置を使用して体幹回旋運動時における腹部深層筋の動態を究明すること.〔対象〕下肢・体幹に障害のない健常者10名,および慢性腰痛症例6名とした.〔方法〕座位にて下部体幹を回旋させることが可能な装置による他動的な回旋と,随意的な回旋を実施した.課題中における腹横筋の筋厚の変化を健常者と慢性腰痛症例との間で比較した.〔結果〕体幹回旋運動に対する腹横筋の一側性の筋厚増加が健常者では認められ,慢性腰痛症例においては認められなかった.〔結語〕観察された健常者と慢性腰痛症例の腹横筋活動の違いは,体幹回旋に対する腹横筋の関与と,健常者と慢性腰痛症例における腹横筋の機能性の違いの一端を示唆する.
  • 高橋 由依, 隈元 庸夫, 世古 俊明, 杉浦 美樹, 金子 諒介, 吉川 文博
    2014 年 29 巻 2 号 p. 213-218
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ブリッジ運動時の足底への荷重率と股伸展角度(角度),起立と移動能力との関連性を疾患別に検討した.〔対象〕大腿骨頸部骨折患者(頸部骨折者)47名と脳血管障害患者(CVA者)36名とした.〔方法〕起立と移動の視点ごとにその能力により群分けし両脚,片脚ブリッジ運動での荷重率と角度について群間で比較した.またCVA者ではBrunnstrom stageによる比較も行った.〔結果〕両疾患者ともに起立と移動のいずれも両脚,患側ブリッジ運動での荷重率と角度の能力による差がみられ,CVA者の非患側ブリッジ運動での荷重率と角度は有意な差を示さなかった.Brunnstrom stage別ではstage VIで起立と移動能力の高い者が多かった.〔結語〕CVA者の非患側ブリッジ運動での荷重率には動作能力が十分に反映されていない可能性がある.
  • 野口 綾利, 菅原 和広, 正木 友佳子, 櫛田 歩未
    2014 年 29 巻 2 号 p. 219-223
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕スタティックストレッチング(static stretching;SS)とダイナミックストレッチング(dynamic stretching;DS)後のa運動ニューロンの興奮性と筋血流動態の経時的変化を調査した.〔対象〕健常成人20名.〔方法〕ストレッチング前(pre),直後(post 1),5分後(post 2),10分後(post 3)に足関節背屈角度,H波およびM波振幅,ヒラメ筋血流量を計測した.〔結果〕SS,DSともに背屈角度が増大した.H波振幅はSSで減少傾向を示したが,DSではpost 1からpost 2,3にかけて有意に増大した.ヒラメ筋血流量はともに有意な差はなかった.〔結語〕SSとDSのH波振幅の経時的変化の違いは抑制メカニズムの違いによることが示唆される.
  • 高取 克彦, 松本 大輔, 石垣 智也, 胡内 貴子
    2014 年 29 巻 2 号 p. 225-228
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者の転倒恐怖感とバランス機能および体型との関係を明らかにすること.〔対象〕介護予防普及啓発事業に参加した高齢女性71名.〔方法〕転倒に関するアンケート調査と重心動揺検査を実施した.アンケートは転倒恐怖感,転倒または転倒インシデント,疼痛の有無を聴取し,体型はBMIに基づいて分類した.〔結果〕転倒恐怖感は転倒インシデントの有無による差を示さず,肥満体型の者で有意に大きかった.また転倒恐怖感は開眼単位軌跡長と有意な相関を示し,重回帰分析では開・閉眼単位軌跡長が関連因子として抽出された.〔結語〕転倒インシデントは必ずしも転倒恐怖感に影響せず,体型や重心動揺速度による影響が示唆される.
  • 千木良 佑介, 馬場 美早紀, 高井 智子, 新島 和
    2014 年 29 巻 2 号 p. 229-232
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ペースメーカー植え込み患者において,性別,年齢,疾患,mode,植え込み歴の影響を下肢運動機能とQOLの面から比較検討した.〔対象〕外来通院しているペースメーカー植え込み患者45名.〔方法〕下肢運動機能についてはCS-30回数と6MWDを計測し,QOLについてはWHO/QOL26を使用し,比較した.〔結果〕DDDとVVI,及びAV-blockとBrady-Afの間にQOLの心理的領域の項目で,65歳未満と75歳以上の間にCS-30と6MWD で有意な差がみられた.〔結語〕modeや疾患によりQOLの心理的領域に差があり,加齢に伴い下肢運動機能が低下する傾向がみられた.ペースメーカー植え込み患者の下肢運動機能,QOLについての特徴を知ることは,ADL評価や運動指導,理学療法施行中のリスク管理において有用な情報であると考える.
  • 福尾 実人, 田中 聡, 沖田 一彦, 長谷川 正哉
    2014 年 29 巻 2 号 p. 233-238
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕在宅脳卒中患者の身体活動量を横断的に調査し,その現状を把握し影響を及ぼす因子を抽出することとした.〔対象〕脳卒中患者40名と65歳以上の地域在住高齢者39名とした.〔方法〕身体活動量の評価は,life-space assessment(LSA)を使用した.脳卒中患者の身体活動量に関連する因子を検証した.〔結果〕重回帰分析の結果,脳卒中患者の身体活動量に影響を及ぼす因子は,主観的健康感,年齢,転倒恐怖感の有無,連続歩行距離であった.〔結語〕脳卒中患者では,加齢や下肢筋力および歩行能力低下に起因する廃用症候群が予測されるが,転倒恐怖感や主観的健康感などの健康心理面が相互に影響し合い身体活動量の低下が引き起こされることが考えられる.
  • 佐々木 賢太郎
    2014 年 29 巻 2 号 p. 239-242
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕頸椎装具装着が呼吸機能と呼吸筋活動に及ぼす影響について検討することとした.〔対象〕健常男子大学生12名とした.〔方法〕頸椎装具にはフィラデルフィアカラーを使用し,非装着・装着の順に呼吸機能検査を実施した.その際,呼吸筋の筋活動について表面筋電計を用いて評価した.〔結果〕カラー装着により呼吸機能は有意に低値を示した.カラー装着により,最大吸気相の胸鎖乳突筋と斜角筋の筋活動が有意に低値を示したが,最大呼気相において腹直筋と外腹斜筋の活動量に有意な変化は認められなかった.〔結語〕頸椎装具装着により吸気,呼気,いずれも障害されるが,その要因は双方で異なることが示唆された.
  • 平野 幸伸, 山本 武, 櫻井 博紀, 青田 安史
    2014 年 29 巻 2 号 p. 243-246
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的はハンドヘルドダイナモメーター(HHD)によるヒラメ筋筋力測定法の妥当性を検証することである.〔対象〕対象は健常成人14名28肢とした.〔方法〕測定指標は最大筋力および最大トルク値とした.測定方法は徒手抵抗によるHHD法,固定用ベルトを用いたHHD法,設置型筋力測定装置による等尺性足関節底屈筋力測定法,設置型筋力測定装置による等尺性ヒラメ筋筋力測定法,徒手筋力検査(MMT)の5種類とした.〔結果〕固定ベルトを用いて行うHHD法と設置型ヒラメ筋筋力測定装置との有意な相関が認められた.〔結語〕固定用ベルトを用いた方法は妥当性がある.
  • 正木 友佳子, 菅原 和広, 野口 綾利, 櫛田 歩未
    2014 年 29 巻 2 号 p. 247-251
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,Go/NoGo視覚反応課題を用いた一側手での運動練習が対側手に及ぼす影響を調査することである.〔対象〕対象は右利き健常成人16名とした.〔方法〕被験者を右手練習群と左手練習群に振り分けた.Go/NoGo運動課題には3種類の光刺激を用い,赤丸提示時には一側の示指を伸展させ(Go刺激),緑丸と赤四角提示時には運動を行わずに安静を保つ(NoGo刺激)よう指示し,3日間の運動練習前後の左右両側手の反応時間を計測した.〔結果〕両練習群で練習側手と非練習側手において,刺激から筋活動開始までのpre-motor timeが短縮した.〔結語〕3日間の運動練習によって運動側手と対側の頭頂連合野の機能に可塑的な変化が生じると同時に,処理された視覚情報は脳梁を介して運動側手と同側の頭頂連合野にも伝達されることが示唆された.
  • 尾崎 新平, 植田 耕造, 千代原 真哉, 佐野 一成, 冷水 誠, 森岡 周
    2014 年 29 巻 2 号 p. 253-257
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,課題前の教示条件の違いが学習効果に及ぼす影響を明らかにすることである.〔対象〕対象は健常者29名(男性10名,女性19名,平均年齢24.2±2.4歳).〔方法〕課題練習前に課題中の規則全てを教える意図的答え群,規則一部を教える意図的ヒント群,教えず規則に気づいた偶発的気づきあり群,教えず規則に気づかない偶発的気づきなし群に分け系列反応時間課題を行った.1日目は14ブロック,2日目は保持課題,転移課題をそれぞれ3ブロックずつ実施した.〔結果〕転移課題で意図的ヒント群,偶発的気づきあり群で反応時間の低下は認められなかった.〔結語〕学習対象者に規則の一部を提示し,自らが運動の規則性に気づくことが運動学習の転移に効果的であることが示唆された.
  • 久田 智之, 工藤 慎太郎, 颯田 季央
    2014 年 29 巻 2 号 p. 259-263
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕超音波画像診断装置を用いて,多裂筋を含む横突棘筋の従来の筋電図の電極貼付け位置の妥当性を検討する.〔対象〕健常成人男性20名とした.〔方法〕腹臥位にてL2,L4棘突起から外側3 cm,6 cmの右側腰部4部位を撮影し,各部位で表層に存在する筋,棘突起から横突棘筋外縁までと最表層までの距離を計測した.〔結果〕日本人の若年者においては,L2,L4レベルともに棘突起3 cm外側に横突棘筋は多くの例で存在せず,最長筋をはじめとした外側筋群が存在していた.〔結語〕L2,L4棘突起から外側3 cmの部位における電極貼り付け位置は多裂筋ではなく,外側筋群の筋活動を測定していた可能性がある.したがって,従来の研究結果は貼り付け位置を再考する必要が示唆された.
  • 古関 一則, 吉川 憲一, 前沢 孝之, 浅川 育世, 水上 昌文
    2014 年 29 巻 2 号 p. 265-269
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕運動不全脊髄損傷者において,受傷年齢が屋内・屋外歩行およびADLの獲得に与える影響を明らかにすること.〔対象〕2001年3月~2012年12月までに茨城県立医療大学付属病院に入院した受傷後3カ月以内の運動不全脊髄損傷者87名とした.〔方法〕対象者を年齢別に3群に分類し,退院時の歩行獲得状況,入院時・退院時のFIMの運動合計および認知合計点数を比較した.〔結果〕退院時のFIM運動,FIM認知は共に年齢による主効果が認められた.年代群別歩行獲得状況は,自立歩行獲得については有意差が認められなかったが,屋外歩行獲得については有意差が認められた.〔結語〕受傷年齢は運動不全脊髄損傷者のADL獲得や歩行範囲に影響を及ぼす要因であるといえる.
  • 森下 勝行, 烏野 大, 横井 悠加, 諸角 一記, 荻原 久佳, 花岡 正明, 藤原 孝之, 藤本 哲也, 阿部 康次
    2014 年 29 巻 2 号 p. 271-275
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕超音波照射が疼痛閾値に与える影響を明らかにすることとした.〔対象〕健常成人男性10名とした.〔方法〕施行条件を,(1)超音波照射あり(US群),(2)超音波照射なし(placebo群),(3)安静(control群)とし,これらの間で疼痛閾値の経時的変化を比較した.超音波は,周波数3 MHz,強度1.0 W/cm2,照射時間率100%,照射時間10分間にて照射した.測定項目は,痛覚閾値,圧痛閾値,それぞれの閾値測定時のvisual analog scale (VAS),および皮膚表面温度とした.〔結果〕US群がplacebo群とcontrol群に比べ照射後20分間において痛覚閾値,圧痛閾値,皮膚表面温度が高かった.〔結語〕超音波は,照射後20分間において疼痛閾値を上昇させる持続効果があることが示唆される.
  • 吉田 一也, 江尻 廣樹, 磯谷 隆介, 原 和彦, 藤縄 理
    2014 年 29 巻 2 号 p. 277-282
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕自然立位の脊柱アライメントと肩甲骨位置と肩甲上腕関節外転可動域の関係について検証した.〔対象〕運動器障害のない成人男性40名(25±5歳)とした.〔方法〕測定肢位は自然立位とし,頸部屈曲角,円背指数,骨盤傾斜角,胸郭周径,肩甲骨位置,肩甲上腕関節外転可動域を測定した.統計解析として,重回帰分析で脊柱アライメント,肩甲骨位置,肩甲上腕関節外転可動域の関連性を検討した.〔結果〕胸椎後弯と胸郭周径,肩甲骨位置に特に高い関連性があった.〔結論〕骨盤前傾,腰椎前弯・胸椎後弯・胸郭周径の増大による肩甲骨の外転・上方回旋が示唆された.肩甲骨は胸郭上にあるため,胸椎弯曲・胸郭形状から大きな影響を受けると考えられる.
  • 横井 裕一郎, 小塚 直樹, 松山 敏勝
    2014 年 29 巻 2 号 p. 283-288
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕成人脳性麻痺者の腓腹筋(筋腹長,アキレス腱長)に対して,超音波画像とデジタルノギスにて測定し再現性と臨床応用を検討した.〔対象〕成人脳性麻痺者9名(平均年齢35±9.2歳),健常者10名(平均年齢22±0.8歳) 〔方法〕超音波画像から大腿骨内側顆の頂点,筋腹部と腱部の移行部,踵骨の中枢側を同定し,その間の距離を測定した.測定は日を改めて2回行った.再現性の検証には級内相関係数(ICC)を使用した.〔結果〕脳性麻痺のICCは0.93~0.98,健常者のICCは0.76~0.99であった.ただし健常者の筋腹長で最大背屈時の95%CIの下限値は低い値を示した.〔結語〕脳性麻痺者では良好・優秀な再現性を示し,治療方法を検証する評価法としての可能性が示唆された.
  • 山崎 雅也, 清水 順市
    2014 年 29 巻 2 号 p. 289-294
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕訪問リハビリの介入が介護負担感に及ぼす影響について混合研究法を用いて検討することとした.〔対象〕新規に訪問リハビリを開始する利用者7名および主介護者7名とした.〔方法〕量的調査:介入前と介入後(3カ月)に利用者および主介護者の基本情報,主介護者のJ-ZBI,GHQ28を測定し,介護負担感の変化を検討した.質的調査:主介護者に半構造化面接を実施し,M-GTAを用いて介護負担感を感じるプロセスについて検討した.〔結果〕訪問リハビリ介入後は,介入前に比べJ-ZBIの総得点,PS尺度の得点が有意に低く,RS尺度では有意差が認められなかった.〔結語〕訪問リハビリの介入によって介護負担感が軽減し,心理的援助が介護負担感を軽減させる因子であると示唆された.
  • 松下 和弘, 野添 匡史, 間瀬 教史, 高嶋 幸恵, 髙山 雄介, 橋詰 裕美, 和田 智弘, 眞渕 敏, 内山 侑紀, 山本 憲康, 福 ...
    2014 年 29 巻 2 号 p. 295-299
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕健常男性における自転車エルゴメーター駆動中のchest wall体積を,三次元動作解析装置を用いて測定し,その特徴を検討する.〔対象〕健常男性6人.〔方法〕ランプ負荷にて自転車エルゴメーターを症候限界域まで駆動させ,その間のchest wall体積を三次元動作解析装置を用いて測定した.〔結果〕安静時と比べて20%時以上の運動負荷強度で,終末吸気の体積変化では上部・下部胸郭体積が有意に増加し,終末呼気の体積変化では腹部体積の有意な減少が認められた.〔結語〕運動負荷強度の増加に伴うchest wall体積の変化は,終末吸気時には肋骨がより大きく引き上げられ,終末呼気時には腹部がより縮小することで,より大きな一回換気量を得ることが示唆された.
  • 井垣 誠, 谷口 勝茂, 本田 寛人, 小松 素明, 坂上 元祥
    2014 年 29 巻 2 号 p. 301-307
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肥満を持つ生活習慣病患者の運動療法の頻度とインスリン抵抗性改善効果の関連を明らかにする.〔対象〕BMIが25.0 kg/m2以上で外来の生活習慣病患者44名.〔方法〕6カ月間の運動回数により51回以上の群(高頻度群)と50回以下の群(低頻度群)に分け,前期,後期それぞれ6カ月間,運動の頻度と身体組成,生化学検査,血圧との関連を調査した.〔結果〕6カ月後では体脂肪率,空腹時インスリン値,HOMA-Rは高頻度群のみ有意に低下した.6~12カ月後では運動の頻度に関わらず身体組成,インスリン抵抗性の増悪はなかった.〔結語〕インスリン抵抗性改善のためには6カ月間,週2回以上の運動療法が必要であることが明らかになった.また,改善効果の維持には週1回程度の運動療法でも十分であることを示した.
  • 山元 佐和子, 古川 順光, 新田 收
    2014 年 29 巻 2 号 p. 309-314
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕人為的に脊柱後弯を強調した姿勢(後弯)としない姿勢(通常)の2条件で車椅子駆動時の呼吸循環応答を比較することを目的として実験を行った.〔対象〕研究参加に同意した健常男性16名を対象とした.〔方法〕肺機能検査,呼吸運動・胸郭拡張差の測定,安静時・車椅子駆動中の呼気ガス分析を行い,両条件間で比較検討した.〔結果〕後弯では円背姿勢・胸郭下部の可動制限がみられ,車椅子駆動中の呼吸数が増加した.また,車椅子駆動開始時のphase Iの換気応答では,後弯で1回換気量と分時換気量の反応の遅延を認め,駆動終了後の酸素負債量が増加していた.〔結語〕脊椎後弯により,車椅子駆動中は駆動開始時の換気応答が遅延した結果,酸素負債量が増加することが示された.
  • 宮田 一弘, 臼田 滋
    2014 年 29 巻 2 号 p. 315-319
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕運動前に筋と神経を対象とした2種類の異なる電気刺激が運動パフォーマンスとピンチ力に与える影響を検討することである.〔対象〕健常成人8名とした.〔方法〕木球を掌で回す課題を用い,事前に練習を行いパフォーマンスが安定したところで電気刺激を加えた.電気刺激は,筋刺激(母指球筋,周波数100 Hz,120秒)と末梢神経刺激(正中・尺骨神経,周波数10 Hz,60分)を実施した.電気刺激前後での回転数とピンチ力を測定した.〔結果〕両刺激とも電気刺激前と比較し刺激後に有意な回転数の増加が認められ,変化率を比較すると筋刺激が有意に高値を示した.一方,ピンチ力に変化は認められなかった.〔結語〕短時間の筋刺激は末梢神経刺激に比べて運動パフォーマンスを向上させる方法として有用である可能性が示唆された.
  • 杉本 諭, 木橋 明奈, 大隈 統, 室岡 修, 中城 美香, 佐久間 博子
    2014 年 29 巻 2 号 p. 321-324
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中患者と非脳卒中患者における上肢支持のないバランス能力の違いについて検討した.〔対象〕杖または独歩にて歩行が自立している者のうち,一側性の脳卒中の既往があり,下肢に運動麻痺を有する者28名,および脳卒中の既往がなく,下肢に著明な左右差を認めない者76名を本研究の対象とした.〔方法〕対象を脳卒中群と非脳卒中群に分け,Berg balance scale(BBS)の成績を歩行自立度別に群間比較した.〔結果〕独歩レベルの者では2群間の差は小さかったが,杖歩行レベルの者では非脳卒中群のほうが脳卒中群よりも良好であった.〔結語〕杖歩行レベルの脳卒中患者は,非脳卒中患者に比べ,上肢支持のないバランス能力が低かった.
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