理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
地域在住高齢者における多重課題条件下での歩行能力と転倒リスク調査との関連性
高田 祐藤田 好彦久保田 智洋稲田 晴彦奥野 純子柳 久子
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2014 年 29 巻 2 号 p. 201-205

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抄録

〔目的〕地域在住高齢者を対象に多重課題条件下での歩行能力と転倒リスクとの関係を明らかにすることとした.〔対象〕地域在住高齢者35名とした.〔方法〕過去1年間の転倒回数,転倒スコア,さらに10 mの自由歩行と多重課題条件下(バランス,聴覚,朗読または減算)での歩行を行い,時間・歩幅・歩数を測定し,自由歩行からの変化率を算出した.〔結果〕転倒スコアは聴覚課題下の歩幅,歩数と有意な相関を示した.転倒経験が複数回の者はない者に比して,聴覚課題下での歩幅の減少率が有意に大きかった.〔結語〕地域在住高齢者に対する転倒予測法として多重課題法は有用で課題としては,聴覚課題のようなやや複雑な課題が適している.

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© 2014 by the Society of Physical Therapy Science
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