2014 年 29 巻 2 号 p. 233-238
〔目的〕在宅脳卒中患者の身体活動量を横断的に調査し,その現状を把握し影響を及ぼす因子を抽出することとした.〔対象〕脳卒中患者40名と65歳以上の地域在住高齢者39名とした.〔方法〕身体活動量の評価は,life-space assessment(LSA)を使用した.脳卒中患者の身体活動量に関連する因子を検証した.〔結果〕重回帰分析の結果,脳卒中患者の身体活動量に影響を及ぼす因子は,主観的健康感,年齢,転倒恐怖感の有無,連続歩行距離であった.〔結語〕脳卒中患者では,加齢や下肢筋力および歩行能力低下に起因する廃用症候群が予測されるが,転倒恐怖感や主観的健康感などの健康心理面が相互に影響し合い身体活動量の低下が引き起こされることが考えられる.