理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
脊柱後弯の有無が車椅子駆動時の呼吸循環応答に与える影響
山元 佐和子古川 順光新田 收
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2014 年 29 巻 2 号 p. 309-314

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抄録

〔目的〕人為的に脊柱後弯を強調した姿勢(後弯)としない姿勢(通常)の2条件で車椅子駆動時の呼吸循環応答を比較することを目的として実験を行った.〔対象〕研究参加に同意した健常男性16名を対象とした.〔方法〕肺機能検査,呼吸運動・胸郭拡張差の測定,安静時・車椅子駆動中の呼気ガス分析を行い,両条件間で比較検討した.〔結果〕後弯では円背姿勢・胸郭下部の可動制限がみられ,車椅子駆動中の呼吸数が増加した.また,車椅子駆動開始時のphase Iの換気応答では,後弯で1回換気量と分時換気量の反応の遅延を認め,駆動終了後の酸素負債量が増加していた.〔結語〕脊椎後弯により,車椅子駆動中は駆動開始時の換気応答が遅延した結果,酸素負債量が増加することが示された.

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© 2014 by the Society of Physical Therapy Science
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