2014 年 29 巻 4 号 p. 645-649
〔目的〕下半身陽圧負荷(LBPP)による部分免荷トレッドミル歩行練習(BWSTT)を脳血管疾患後の症例に対して3通りの免荷量にて実施し,その際の筋電学的特徴を検討した.〔方法〕対象は右視床出血による左片麻痺を呈した50歳代の男性であった.BWSTTにより全荷重,体重の25%免荷,50%免荷の3条件の免荷歩行時における麻痺側内側広筋,ハムストリングス,前脛骨筋,腓腹筋の筋活動を計測した.〔結果〕内側広筋は免荷量の増大に伴い,全荷重と比較して50%免荷時における立脚相に有意な減少が認められた.ハムストリングスと腓腹筋は全荷重時の筋活動と比較し,主として50%免荷時の立脚相において有意な増大を認めた.〔結語〕BWSTT時における免荷量の設定は,その筋電学的特徴も踏まえて検討することが重要である.