理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
回復期退院時の移動手段が車椅子となった脳卒中患者に求められる自宅復帰条件
─家族の意向を踏まえた検討─
杉浦 徹櫻井 宏明杉浦 令人岩田 研二木村 圭佑坂本 己津恵松本 隆史金田 嘉清
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2014 年 29 巻 5 号 p. 779-783

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抄録

〔目的〕回復期リハビリテーション病棟退院時に移動手段が車椅子となった脳卒中患者に求められる自宅復帰条件を検討すること.〔対象〕移動手段が車椅子の脳卒中患者で,転帰先が自宅もしくは施設・療養病床となった68名とした.〔方法〕自宅群(28名)と施設群(40名)を群間比較し,ロジスティック回帰分析にて転帰先因子を抽出した.また,入院時に家族が想定した転帰先と実際の転帰先の関係を分析した.〔結果〕ロジスティック回帰分析では「食事」と「トイレ動作」が転帰先因子として抽出された.また,入院時の転帰先意向は最終的な転帰先に反映される傾向がみられた.〔結語〕移動手段が車椅子での自宅復帰条件には「食事」と「トイレ動作」が求められ,患者の家族とは入院当初から自宅復帰に向けた展望の共有が重要となる.

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© 2014 by the Society of Physical Therapy Science
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