理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
反復唾液嚥下テスト(Repetitive Saliva Swallowing Test)の嚥下回数と嚥下に関係する脳領域の関連
─拡散テンソルイメージング研究─
玉利 誠宇都宮 英綱高橋 精一郎
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2014 年 29 巻 5 号 p. 775-778

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抄録

〔目的〕拡散テンソル画像(DTI)を用い,嚥下に関係する脳領域と反復唾液嚥下テスト(RSST)の関連性を明らかにすることとした.〔対象〕年齢27~75歳の右利きの健常成人48名(男性37名,女性11名)とした.〔方法〕MRI (1.5テスラ)を用いてDTIを撮像し,f-MRI研究により嚥下に関係するとされている脳領域を関心領域(ROI)とした.各ROIの拡散異方性値とみかけの拡散係数(ADC)を計測し,これらとRSSTとの関連性をSpearmanの順位相関係数により解析した.〔結果〕RSSTと左側の島のADC値との間に負の相関が認められた.〔結語〕左側の島は嚥下時の感覚運動を統合し,随意的かつ連続的な嚥下に関与している可能性が示唆される.

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© 2014 by the Society of Physical Therapy Science
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