2015 年 30 巻 2 号 p. 161-165
〔目的〕シャドーピッチング(以下,シャドー)の反復が肩関節回旋可動域と筋力に与える影響を明らかにすることとした.〔対象〕高校硬式野球部に所属する投手9名とした.〔方法〕連続した通常投球およびシャドーの前後で,投球側肩関節内外旋可動域,肩関節内外旋筋力および主観的疲労度を比較した.〔結果〕通常投球,シャドーともに肩関節内外旋筋力の低下が認められた.しかし,肩関節内旋可動域の減少は通常投球のみに認められ,シャドーでは肩関節外旋可動域の拡大が認められた.〔結語〕シャドーは,投球動作中の肩関節回旋運動における肩甲胸郭関節の関与が大きいことから,投球障害発生リスクを軽減させる可能性が示唆された.