2015 年 30 巻 3 号 p. 433-437
〔目的〕徒手筋力計を用いた座位での股伸展筋力測定(座位法)において,骨盤肢位と徒手固定の有無の違いが測定値に及ぼす影響を検討することとした.〔対象〕健常男性10名とした.〔方法〕課題を座位と腹臥位での等尺性股伸展運動とした.座位を骨盤前,中,後傾位の3条件,骨盤固定をあり(固定),なしの2条件とした.徒手筋力計にて股伸展筋力値を,表面筋電計にて股伸展筋と体幹筋の筋活動量を計測した.各測定条件における筋力値の再現性と妥当性,測定条件間での筋力値と筋活動量の差を検討した.〔結果〕筋力値の再現性と妥当性は固定・後傾位で高かった.筋力値と大殿筋活動量は固定・後傾位で他の測定条件と比べ有意に高かった.〔結語〕固定・後傾位での座位法は再現性と妥当性の高い測定法となる.