2015 年 30 巻 4 号 p. 589-593
〔目的〕徒手筋力計を用いた徒手固定による,座位での頭頸部筋力測定の有用性を検証すること.〔対象〕男女の健常者20名とした.〔方法〕座位での徒手固定法,ベルト固定法,臥位での徒手筋力検査法で,頭頸部屈曲,伸展筋力,頭頸部,および体幹の筋活動量を計測した.各測定法の信頼性,測定法間での筋力と各筋活動量の比較および筋力については相関も検討した.〔結果〕検者内信頼性は全測定法で良好な値を示した.頭頸部屈曲,伸展筋力は徒手固定法とベルト固定法でMMTより高い値を示し,徒手固定法による筋力はMMTとベルト固定法の間に有意な相関を示した.筋活動量は,頭頸部屈曲時の腹直筋がMMTで高い値を示した.〔結語〕徒手固定法は体幹筋の影響を受けず,信頼性の高い簡便な測定法となり得る.