2015 年 30 巻 4 号 p. 627-633
〔目的〕中年(M)と高齢(O)女性を対象に,静的および動的バランス能の相違を比較し,加齢の影響を検討することである.〔対象〕50歳代をM群(n=49)と80歳代をO群(n=53)の2群に分類した.〔方法〕バランスの指標はプラットフォームシステムを使用し,静的(SB)および動的バランス能(DB)を測定した.反応時間(RT),重心移動速度(MVL)はDBの指標に用いた.〔結果〕SBとDBで,O群はM群に比べ有意に劣っていた.中でもRTとMVLは,2群間の差は著明だった.〔結語〕DBの中で,RTとMVLの低下は著明であり,神経筋や神経機能を含むバランス運動の導入が推奨される.