抄録
〔目的〕脊椎圧迫骨折患者の食事摂取状況を把握し,エネルギー摂取率とリハビリテーションの帰結である歩行能力との関連性を調査する.〔対象〕受傷前歩行が自立していた脊椎圧迫骨折患者31名とした.〔方法〕入院後7日間のエネルギー摂取率(摂取量/消費量)を評価し,1.0以上を充足群,1.0以下を不足群とした.歩行能力の指標であるFunctional Ambulation Category (FAC)を群間で比較した.〔結果〕対象全体の74%に摂取量の不足を認めた.充足群の方が歩行訓練開始時と退院時のFACが有意に高く,エネルギー摂取率とFACの間に関連性を認めた.〔結語〕脊椎圧迫骨折患者では,入院後食事摂取量が不足することが多く,それが歩行能力に影響を与えていることが示唆された.