2015 年 30 巻 6 号 p. 833-838
〔目的〕整形外科外来患者において床からの立ち上がり所要時間(立ち上がり時間)と,身体機能や痛みとの関連性を検討することとした.〔対象〕整形外科外来通院高齢者88名とした.〔方法〕年齢,性別,痛みを有する部位の総数(痛み総数)を聴取し,立ち上がり時間,BMI,筋力(握力,膝伸展筋力),バランス能力(FRT),柔軟性(FFD)を測定した.〔結果〕年齢,性別,BMIで調整した重回帰分析の結果,痛み総数,膝伸筋力,FRT,FFDが立ち上がり時間と有意に関連していた.〔結語〕立ち上がり時間の遅延は身体機能低下の一指標となり,さらに痛みとの関連性を示すことから新たに痛みの管理の重要性が示唆される.