理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
麻痺側母指球筋に筋緊張亢進を呈した脳血管障害片麻痺患者に対する尺沢への経穴刺激理学療法の効果
─抑制テクニックにおけるF波の変化─
髙森 絵斗水口 真希早田 恵乃渡邊 裕文文野 住文鈴木 俊明
著者情報
キーワード: 経穴刺激理学療法, F波, 尺沢
ジャーナル フリー

2015 年 30 巻 6 号 p. 939-943

詳細
抄録

〔目的〕脳血管障害片麻痺患者の麻痺側母指球筋の筋緊張抑制に対する手太陰肺経の尺沢への経穴刺激理学療法の効果を明らかにすることとした.〔対象〕本研究に同意を得られた脳血管障害片麻痺患者7名とした.〔方法〕尺沢への経穴刺激理学療法施行の前後に麻痺側母指球筋からF波を測定し,安静試行と他の試行との間で振幅F/M比,出現頻度,立ち上がり潜時をそれぞれ比較した.〔結果〕振幅F/M比は安静試行と比較して,経穴刺激理学療法試行中,終了直後,5分後,10分後,15分後に有意に低下した.出現頻度,立ち上がり潜時は,経穴刺激理学療法試行前後の変化を示さなかった.〔結語〕筋緊張抑制目的の経穴刺激理学療法では,脊髄神経機能の興奮性を抑制することが示唆される.

著者関連情報
© 2015 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top