2015 年 30 巻 6 号 p. 981-985
〔目的〕NIRSを使用し脳血管障害患者における,姿勢調節に伴う脳血流動態を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は脳血管障害患者20名と健常成人20名とし片脚立位時の脳血流動態をNIRSにて測定し,OXYHB濃度変化を分析した.〔結果〕脳血管障害患者は,背側前頭前野の活性化が乏しく,一次感覚運動野周辺領域においても,健常者が一定量の活性化で推移するのに対して,急激な増減を示す傾向がみられた.〔結論〕脳血管障害患者の姿勢調節の評価にNIRSを活用することは有効であり,バランス障害の抽出やリハビリテーション介入における予後予測の一助となる可能性がある.